前置詞あるなしで意味が変わる

approve と approve of の違い

“approve”と”approve of” は意味が違います。

この of があるかないかはさほど重要ではないと思っていると、意味を読み間違う危険があります。
approveの意味は、「承認する」という意味であることは多くの人が知っていますね。
しかし、これに “of ” がつくと、意味が変わります。わかりますか?

of がつくと、単なる意見の表明となります。「そのことに賛成する」というニュアンスです。正式な「承認」の意味はありません。実に多くの方が、この些細で、しかも重要な違いというものに無頓着な感じを受けます。

中学校の英語の教科書に approve of が出ているものがあり、approveの意味さえまだ習得していない生徒たちが使う教科書に、approve of という英語表現を使った文章が登場していることに驚きました。

例文

次の2つの文の違いを見てみましょう。

1.Samantha’s father approved her marriage to John.

2.Samantha’s father approved of her marriage to John.

1.サマンサのお父さんはサマンサがジョンと結婚することを承認した

2.サマンサのお父さんはサマンサがジョンと結婚することを良しとした。

つまり、1の場合はサマンサの結婚にお父さんの許可、承認がいるということ。

2は、結婚は当人同士の意思であり、お父さんが承認しようとしまいと結婚はする。お父さんはその結婚に賛同したという意味です。

このように英語には前置詞があるかないかが意味が変わる表現があります。単語自体は簡単でも、これらの簡単な語を組み合わせて意味が変わる表現がたくさんある英語は厄介な言語なのです。approve と approve of の違いのように些細でありながら重要な違いに注意を払いましょう。

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この記事を書いた人

斉藤ひろみ(Hiromi SAITO, Ph.D.)

ニューヨーク大学大学院 教育学部TESOL(英語教授法)の博士号(Ph.D.)を取得。卒業後はニューヨークにある複数の大学でESL(第二言語としての英語)を指導。ネイティブ講師が中心の中、唯一の日本生まれ・日本育ちの講師として6年間教壇に立つ。

帰国後は、慶應義塾大学、早稲田大学、テンプル大学などで英文ライティングやスピーチ指導に従事。また、国際会議の現場では会議通訳者としても活動しており、天皇陛下(現・上皇陛下)や各国要人の通訳、テレビ通販番組での同時通訳など幅広い分野で活躍中。

「英語を教える力」と「英語を使う力」の両方に精通した、英語のスペシャリストです。

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