留学しても英語はペラペラになりません
「あなたは留学していたから英語ができるのね!」というコメントはよく聞かれますが、そんなことはありません!!
たとえどれだけ長く留学をしても、積極的に現地の人と話したり交流をしない限り、生きていくのに必要な最低限のフレーズしか話さずに終わります。日本人留学生同志で過ごすのは気持ちの上でも安心ですしラクなのですが、他の国からの留学生やネイティブの学生や現地の人と積極的には話さないとなかなか言葉は上達しません。
アメリカに移民した人の中には出身地の言語だけで暮らしている人が大勢います。例えば、スペイン語圏から来たとして24時間スペイン語放送のテレビ番組を観て、出身地の人が経営するレストランやお店、医者に行くという生活が普通に成り立ってしまいます。英語は一生、使わなくても大丈夫なのです。韓国語、ロシア語、ありとあらゆる言語でこのような世界が成立しています。
そういえば、ニューヨークに住んでいた頃、運転免許証の更新のためにDMV(Department of Motor Vehicles)に行ったところ英語の申請用紙が見当たらず、英語版はどこですか?と聞いたところ「今、補充待ちなのでありません」と堂々と言われてしまいました。ここはアメリカよ!スペイン語は公用語?!スペイン語だけしかないってどういうこと?!と思いながら、困ってしまいました。当時はスマホなどない時代。今のようにスマホをかざしてGoogle翻訳が瞬時に訳してくれることもありません。
私はスペイン語は一切わかりません。どうしよう??と思いながら、どうしてもその日に更新する必要があるためスペイン語の用紙を手に取りました。ペンを持ったまま黙って用紙を見つめているとまわりのLatinoのおじさんやお兄さんたちが「スペイン語わからないのか?」「ぼくが手伝ってあげるよ!!!」と強いスペイン語なまりの英語でとても誇らしげにオファーしてくれたのでした。数人の心優しいラティーノたちに囲まれて用紙を書き終え、無事に運転免許更新ができました。
話がそれましたが「留学=現地の言葉がペラペラになる」ということはありません。現地に行っても努力が必要です。たくさんの文書を読んだりして単語力を増やすための勉強を続ける、積極的に英語で対話をすること、これらのことをしないと「生きていくための必要最低限のことは言える」程度の英語力で終わります。